新刊書籍「カウボーイ・サマー」発売のお知らせ


 たいへん長らくお待たせいたしました。
 おかげさまをもちまして本日、「カウボーイ・サマー」を発売する運びとなりました。

 「カウボーイ・サマー 8000エイカーの仕事場で」詳細

 本書は著者・前田将多さんが自らの生き方を見つめ直し、長年憧れを持ち続けていたカウボーイという職業に、電通のコピーライターの職を辞して39歳で挑んだ、ひと夏の冒険をまとめたノンフィクション作品です。

 著者との出会いは昨年秋、一本の電話から始まりました。ぜひカウボーイの企画についてお話ししたいという、電話の向こうの真面目な話ぶりに、わたしはふと、「会って話を聞いてみてもいいかな」と思いました。
 やはり彼は有能な元電通マン、気がつけばしっかりプレゼンを受けて、なるほど! と膝を打っている自分がいました。

 やがて、わたしは、彼に熱く語らせ、また彼の人生を揺り動かすほどの存在である「カウボーイ」とは、いったい何者なのかと強く知りたいと思うようになりました。

 今は亡き前田さんの父が愛したカントリーミュージック。同じ曲を聴きながら育まれていった、彼のカウボーイへの憧れと強い思い。高校生になるとカウボーイハットとブーツを好んで履き、アメリカ・ケンタッキー州の大学に入学。社会人となり電通で順調にキャリアを積み、39歳で職を捨て、憧れと愚直に向き合う決心をする――。
 そこまで彼を魅了したカウボーイの生活をわたしも知りたくなったのです。

 この本には、現代のカウボーイの仕事と生活だけでなく、わたしたちには想像もつかない、広大な土地での暮らしの、過去と現在、そして未来が凝縮されています。
 カナダの大地に突然舞い降りて、これからの人生をどう生きようか迷っている日本人。カウボーイという「在り方」を脈々と未来へつなごうとしている大地の人びと。全く異なる人生を送りながらも、「生き抜いていく」という共通した問いが、この物語には描かれています。

 彼らの生きざまに触れながら、自分の生き方も考えてみる――。
 そんな本になってくれることを願っています。

 旅と思索社 代表社員 編集担当 廣岡 一昭