これまで、2017年12月にJALホームページ上で「クアラルンプール行きおトクなビジネスクラス運賃登場!」の記事を見つけたことがきっかけで、2018年はいわゆる「JGC修行」をすると心に決めた。
そのためには、2017年12月中に航空券を購入・発券しなければならないことから、どのような旅程で修行を行うかを迅速に決める必要があったというのがこれまでの話の流れだ。
前回の「タッチ! タッチ! OKAにタッチ! 羽田から――♪」の中でも書いたように、OKA発KUL行きのビジネスクラス往復航空券を購入し、それに加えて、別途、HND―OKA往復の国内線航空券を購入するという、通称OKAタッチを行う旅程を2回組むというのが一番シンプルな方法である。
だが、この格安のビジネスクラスチケットには、往路の便に搭乗したのち、最低、9日間経過しなければ、帰路の便に搭乗することができないという条件があることから、大型連休を2回取得しなくてはならない。
JGC修行僧にとっては、大発見でも何でもないのであるが、実は、このような利用条件があるチケットを購入しても、今回の場合、クアラルンプールに向かい、かつ、9日間経過しなくても日本に帰国できる方法が存在する。
それが「海外発券」である。
これは、日本往復のチケットに海外発券のプレミアム・エコノミーを2つ加えるという方法として知られている。
ビジネスクラス往復航空券のOKAタッチの部分は省略するが、ビジネスクラス往復航空券の往路から復路までの日数を比較的長く取り、その間をプレミアム・エコノミー航空券で2往復するというプラン、つまり、JALのマレーシアのWebサイトよりKUL-NRTのプレミアム・エコノミークラスの往復チケットを2つ購入するのだ。
これは、現地滞在者(ビジネスや留学など)向けの航空券で、日本の航空会社の海外サイトから購入することから海外発券と呼ばれ、時期や国にもよるが、日本発券よりチケットの価格が3割程度安いことで知られている。
この場合、ビジネスクラス往復航空券の往路の航空券(図では①)と同日に、海外発券のプレミアム・エコノミーの往路のチケット(図では②)を購入しておけば、KULタッチが可能となることに加えて、OKAタッチを加えても2泊3日でクアラルンプールを往復でき、合計金額もビジネスクラス往復2回分とほぼ変わらないという大きなメリットがある一方、NRT-KULを計3往復しなければならないデメリットも存在する。
参考までに、「海外発券」に関連したものとして、修行僧にとっては常識であるが、以前は、東南アジアを早朝に出発し、成田へ向かう便に搭乗し、成田空港に到着するやいなや、福岡行きの便に乗り換え、福岡到着後に羽田行きの便へ乗って帰宅するという「福岡修行」と呼ばれる方法があった。これは、通常の東南アジア発―成田往復航空券と運賃と比較して1000円ほど高いだけであるにもかかわらず、多くのマイルが貯まる方法として海外在住の日本人に注目されていた。
このように、旅程を組むだけでも非常に悩むことに加えて、スケジュールをタイトにすると身体的苦痛が伴う。
これがまさに「旅行」ではなく「修行」と呼ばれるゆえんなのである。
OKAタッチはともかく、修行であるとはいえ、クアラルンプールに入国せずに日本に戻ってくるのはもったいない気がしてきた。
よし! もう悩んでいる暇はない。
こうなったら、現地滞在期間が「9日以上6か月以内」のビジネスクラスチケットを2つ購入してしまおう!
できるだけ早く修行を終えたいので、1回はゴールデンウィークに絡めるとして、もう1回は3月に出発する事にした。
3月には、昔、非常に世話になった先輩が沖縄にいて、重い病気にかかり現在療養中。最後に私に会いたいという連絡があったという設定にすることにした。
世話になったとはいえ、先輩のお見舞いのために会社を9日も休むというのは社会人として失格かもしれないが、人間としては二重丸、いや花丸だ。
こうして、私はJALのサイトにJALカード番号を入力して航空券を購入したのであった。