行く当てなしの行き当たりばったり、自分勝手にふらふら、面白いモノさがしの撮影収集散歩は、散歩という名前の通り、とりあえずの目的地までは車や電車で移動し、そこから歩きになるわけです。
狭い路地に入っていくにはこの方法が一番いいのですが、欠点はポイントの移動に時間がかかるということ。思った以上に深くは散歩できるが、面積をこなしきれない。本当なら自転車があるといいのですが。
私は自転車が大好きです。人間的で、原動力を機械に頼らない陸上の移動道具としては、最高の乗り物ではないでしょうか。とはいっても日本では、ヨーロッパのように自転車と人間を一緒に乗せて気楽に電車で移動できるようにはまだなっていない。まあ、異常と思われるくらい混み合う日本の電車と駅では、もちろんなかなか実現不可能な場所の方が多いとは思いますが、時間帯によっては許可してもよいのではないでしょうか?
私はついこの間、フリーマーケットで小さな組み立て式の自転車を買ったばかりなのですが、あまり乗っていない。自宅周辺には乗っていく場所も用事もないのです。
よく考えてみたら、60歳にならんとする私が初めて買った自転車なのです。高校までは兄のおさがりで、自分用に買ってもらったことがありませんでした。仕事をするようになってからは自動車になってしまったのでますます遠ざかり、自分で購入するまでは実に長い道のりだったのですが。
残念ながら今は自転車で都内を散歩できませんが、街の自転車には目が行ってしまいます。それも実用の自転車が好きなのです。今回は下町に行くとよく発見できる、「働く自転車」を特集します。
北千住のブリキ屋さんの自転車。がっちりとしたサイドカー付の実用車です。あまり使っていないようで物置みたいになっていますが、ステンレスの寸胴の鍋が乗っているあたり、ブリキ屋さんらしいですね。リヤカーの部品で作った荷台でしょう。タイヤもリヤカーのもののようです。
北千住でなく銀座や青山あたりをこれで散歩してみたいものです。どんな外国メーカーのスポーツバイクにも負けない立派で格好いい自転車ですよね?
これも負けてはいません、新橋の酒屋さんだと思います。荷台は後ろ、三輪車になります。酒の木箱やビールケースを運ぶのでしょう。狭い路地での配達にはとても便利だと思います。
サイドブレーキがちゃんとついていますね。安全第一なのでしょう。配達途中に動いてしまっては危険ですからね。
浅草のかっぱ橋道具街にありました。今はガーデニング自転車で活躍中のようです。自転車本体は実用車よりもタイヤなどが細いようです。サイドの荷台のタイヤの方がずっと太いリヤカーようです。これにはブレーキがないためか、ビニールひもで動かないようにしていますね。植木鉢を売り歩いているのではないように思われます。
こんな形のガーデニングも素敵じゃないですか!
これもかっぱ橋です。ステンレスでできた小さなリヤカーをつけた酒屋さんの自転車です。これを引っ張るママチャリは電動アシストのようなので、重いお酒を積んでも大丈夫そうですね。先ほどの新橋の進化系です。
さすが道具の町、なんでも作ってしまいますね。
ガラッと変わって、新宿は歌舞伎町の宣伝カーです。都内の繁華街では大型のトラックの宣伝カーが派手に走り回る時代ですが、これはいいですね。浅草や上野にはプラカードや手持ちの看板を持ってお店の宣伝をしている姿がよく見られましたが、とりあえずその進化系なのでしょう。
墨田区の京島で見つけた不思議な自転車。前輪が二つでその上に子供用の椅子を取り付けています。足を乗せる台も板で作っていますが、シートベルトがないようですから、ブレーキをかけたら前に飛んでいきそうですね……。
配達に使いそうな荷台も後ろにあるので、仕事用に使っているのだと思いますが、安全運転でお願いします。
最後は鎌倉、由比ガ浜で見つけたサーファー御用達の自転車。サーフボード運搬用ですね。おしゃれで、さすが鎌倉です。自転車で海に来るという、地元の人でなけれなできない行為ですので、田舎者から見ると、「どうだ、俺は鎌倉に住んでいるんだ」と、自慢している風に見えたりするのですが、後ろには子供用のシートがあり、そのハンドルはかなり手作り感いっぱい。生活感にもあふれ、好感の持てる作品です。
このようなボード運搬用の自転車は鎌倉ではよく見かけられます。ロングボードは無理なようです。
このように街を歩いていると、さまざまに活躍する現役実用自転車をはじめとして、リヤカーもよく見かけられます。こんな乗物探しも楽しいものです。
いつか私も都内を自転車で散歩したいと思います。