ゴッホほどの値打ちもない ――編集ダイアリー2020年5月26日


 昨夜は、バスの仕事が早く終わった。

 片道1000円近くする高速に乗り、日を跨ぐ前に家に帰ることができた。
 そこで、この時間を活用して編集ダイアリーを書こうと、昼くらいからずっと心に決めていたのだが、仕事終わり用と称してコンビニでビールを買い、気がつけば仕事始めの腹ごなしと称して食事とともにビールを飲み、体力温存のための仮眠と称して、気がつけばソファーで爆睡しているところを飼い猫のひじきに起こされて、ベッドルームへの移動を促された。

 先日も徹夜の話をしたけれど、実は徹夜の裏側には本来やりたくないことをやるという理不尽さからくるサボタージュ本能の芽生えがあるということをお伝えしたい。

 締め切りだけど、気が乗らない。
 締め切りだけど、まずはビール。
 締め切りだけど、とりあえず風呂に。
 締め切りだけど、仮眠を取ってから。
 締め切りだけど、間に合うかな……。

 てな具合に、闘うべき相手の周りでなんとなく道草を食いながら、なんとかならないものかと意味のない思案をし、最後は、
「仕方ないから徹夜するか……」
という、全く理解不能な、本人からすると建設的な行動に出るのである。

 今回もほぼそれに当てはまるパターンである。
 自分が決めた仕事だから、徹夜するまでもなかっただけである。

 そして今、事務所へ通う電車の中でこれを書いている。

「最初からそうすればよかったのでは……」

 それはさておき、この編集ダイアリーも連日アップを決めてから1週間続いたが、誰も読んでいる気配がない。
 とても素晴らしいことだ。

 いまわたしは、読まれない文章を書くことに自己鍛錬の価値を見出している。

 

 


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