ドヤで1週間暮らした記録を本にします――編集ダイアリー2018.2.1


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いつも「Tabistory.jp」をご愛読いただきまことにありがとうございます。

このたび、2018年2月20日に出版部より「人生と道草」第2号『ドヤ暮らし1週間―山谷とともに』を発売する運びとなりました。
創刊号から実に1年と1か月。皆様にはたいへん長らくお待たせいたしました。

本日、無事に原稿を印刷所に入稿してほっとしているところです。

みなさんは山谷という地名をご存知でしょうか。もう地図を見ても、その名を探し当てることはできません。
山谷は東京都台東区と荒川区の一部にまたがる、日雇い労働者が仕事を求めて集う地区「寄せ場」の街です。
大阪・西成の釜ヶ崎地区、横浜・中区の寿町と並ぶ日本三大寄せ場の一つとして、日本の戦後の高度成長時代の勢いのなかで、土木・建築工事現場の労働力を賄なってきました。
そして日雇い労働者たちが暮らしていたのが、「ドヤ」(「宿」の逆さ言葉)と言われる簡易宿泊所が密集する地域でした。
しかし、高度成長の終焉と長寿高齢化社会の到来を経て、寄せ場の街はこの数十年で大きな変貌を遂げています。

純粋なドヤへの興味から訪れた寄せ場の街は、日々を重ねるごとにこれまで知らなかった、そして見えてこなかった世界をわたしに教えてくれました。

いま、変わりゆく山谷の街と、そこに暮らす人びとをわたしなりに書き留めておくことで、この街の行方に関心を持っていただければ幸いです。

東京はまた雪の予報。
積もらないといいのですが。

 編集人 廣岡一昭

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