ネクラとあまのじゃくの出版社 ――編集ダイアリー2018.3.8


東京では暖かい日が続き、気がつけばもう3月。
今日はまた冷たい雨の1日。三寒四温とはこういうことを言うのでしょうか。

毎年こんなことを書いて、時の経つ早さに驚いているような気がします。

さて先日、仕事で初めてお会いした方から言われて、あることに気づきました。
それは「自分は暗い」ということ……。

確かに、みんなが乗って盛り上がっているときに自分だけ、何となく乗り切れなかったり、居心地が悪くなったりすることがあって、何となく「あまのじゃく」的な感覚もない訳ではないのですが、たいていは、
「まじめだなあ……」
と、うまく相手がイメージして納得してくれて終わるので、わたしとしても都合がよかったのです。

しかし、先日お会いした原さんという方は、幼児教育から日本を変えるという大きな目標を掲げて全国の幼稚園、保育園を飛び回っている、幼児教育一筋の情熱派の経営者。
「なんかさっきから、暗い」
と、鋭い指摘をいただいたのです。

自分では、そんなことを一度も言われたことがないので、少々戸惑いながらも、
「そうかも!」
と思った瞬間でした。

そんな原さんに激励されながら、気がつけば真っ昼間から新宿の居酒屋でビールをジョッキ6杯ほど飲んで人生相談に乗っていただいたのでした……。

そんな一風変わった出会い方でしたが、原さんが繰り返し発していた言葉が記憶に残りました。
それは決めたら必ず「やる」ということ。
そして「あきらめず」、「継続する」ということ。

話を伺っていて、旅と思索社の理念も結局はここに通じるということを強く感じました。
金儲けのセオリーを追求するよりも、自分の思いを未来に残す出版社でありたい。

そんな決意で、自分にしかできないものをと作ってきたのが「二十世紀酒場」や「カウボーイ・サマー」であり、「人生と道草」なのだ。けれど、うれしさ半分、ふがいなさ半分。初心忘るべからず……。

酒を飲みながら、酔った頭でそんなことを考えていました。
やっぱり暗いです。

 編集人 廣岡一昭


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