生きてるだけでいいのかも ――編集ダイアリー2020年6月4日


 領収書の束を見ながら途方にくれている。
 年末から記帳処理を怠っていたのだが、4月末の決算を過ぎ、なんとなく5月が過ぎ、6月に入ると、決まって慌てだす。

 早く会計ソフトに記帳し、税理士の先生に仕訳帳と総勘定元帳を提出しなければ6月末の締め切りに間に合わない。
 ようやく焦りだして、とりあえず11月と12月の領収書をコピーの裏紙に貼り付けた。

 ひと月分の領収書は、ひとり会社だから数もたかが知れている。
だが、これが半年分になるとけっこうなボリュームとなる。
<月ごとに処理したら半日で終わるのでは?>
 ……その通り。
 でも、たいした量じゃないからこそ、放ったらかしにされるのだ。

 そして半年経つと、絶対に内容を忘れないと信じていたレシートが何のための経費だったか皆目見当が付かなくなるのも悲しい。

 もう少し賢くやろうと思いながら、すでに今期も6月に入り、5月分の領収書がたまっているが、何かが始まる気配は、ない。

 原稿を書きながら思う。
 伝票だって毎日ため続ければ嫌になるほどの量になる。
 ならば自分のための努力も毎日続けることで、すごい力を蓄えられるということではないか!

 わかっちゃいるけど、それを行動に移すのがいちばん難しい。
 思っていることとやっていることが一致しない不思議な生物でも、生き続けるだけで少なくとも何かが熟しているのだろうか。

 

 


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