「ウイルスソフト」 ――編集ダイアリー2020年7月6日


 まず、最初にひらにお詫びいたします。
 Adobeさま、読者の皆さま、申し訳ありませんでした。 

 昨年末くらいから、ことあるごとにわたしが3台所有するパソコンにインストールされたAdobeソフトの不具合をSNSやブログで嘆き、ときには非難してきたのだが、その要因がこのたびようやく判明した。
 原因は……ウイルス「対策」ソフトだった。
(あえて名前は出さないが、一度購入したら更新料0円のソフトの安い方である)

 きっかけは、ちょっとした思いつきだった。
 先日、自宅のパソコンでふたたびAdobeの「CeativeCloud」という、同社のソフトを一元管理するソフトが起動しなくなった。これが立ち上がらないと、ほかの最新のAdobe製ソフトも同様に使えなくなるという、重要なソフトである。
 ちなみに、CeativeCloudは同社がサブスクリプション方式を導入するにあたって登場した。そこについてはいろいろ思うところはあるが、今回はあえて何も言うまい。

 前日までは普通に動いていたというのに。
 よく見るとソフトのアイコンのデザインが新しくなっている。夜間のうちに自動更新されたようだ。
 またもやしてやられたと思い、パソコンを再起動してあらためてソフトを立ち上げるも状況は変わらない。
 今まではこの方法で復旧出来ていたというのに……。

 やむなく指示に従いソフトの修復するも……変わらず。再インストールするも、やはりだめ。
 今日、どうしても入稿しなければいけないクライアント原稿があるというのに!!

 ネット上に散らばるトラブルシューティングを試しても何も変わらない。
 憤懣やるかたない思いをこらえつつ、ふとウイルスソフトを無効にしてみた。
 ほんとうに、思いつきで。

 すると、CeativeCloudが起動し、サクサク動き始めた!

 最近はあまり気にする必要がないが、実は昔はソフトのインストール時にウイルス対策ソフトを無効にするのは常識的な話だった。
 けれども、わたしは現在のウイルス対策ソフトをアップデートしながら12年も使用しているが、ほかのソフトのインストール時に問題が発生したことが全くなかったので、ほとんど気にも留めていなかった。
 しかも今回やっかいなのは、Adobeソフトのインストール自体はうまくいっていたのに、ウイルス対策ソフトがCeativeCloudの起動を妨げていたということだ。
 さらに残念なことには、ウイルス対策ソフトの設定では、起動しても安全というホワイトリストに、Adobeのソフトはしっかりと含まれていることだった。
 
 試しに、ウイルスソフトをずっと無効にしてみた。
 ちなみにWindows10は、インストールしたウイルス対策ソフトを無効にすると、標準でOSに含まれている「Windows Defender」が代わりを担ってくれるのでひとまず安心である。

 そうしたら、まあ、なんとパソコン自体が速い、速い。
 「Thunderbird」(メールソフト)を立ち上げると、いままで連携したGsuiteからどうしても取り込めなかったのメールアドレスのリストが、欽ちゃんの仮装大賞の採点パネルのようにみるみる増えていった……。

 すべてのフォルダがすぐ開く。
 ほかのソフトも起動が速くなった。
 Googleのストリートビューもサクサク。  

 今まで、どれだけ時間を無駄にしてきたのだろう。
 時間を返せ。

 君、ほんとうは「ウイルスソフト」だったんだね……。

 

 


同じ連載記事