毎日がタイムカプセル ――編集ダイアリー2020年7月22日


 ようやくこれまでずっと仕事を受託してきた出版社の業務引継ぎをようやく終えた。
 これからも本の編集や取次との交渉事は今までお手伝いすることになるので、関係が全くなくなるわけではないのだが、なにか解放された感覚と、仕事の整理がついたことにほっとしている。

 7年の間、どのように貢献できたのだろうかと振り返ってみるが、日々の業務をこなすのが精いっぱいで、あらたな仕事を生み出すところまで持っていけなかった。
 むしろわたしのわがままばかり聞いてもらっていたような気がする。

 仕事と引き換えに対価をいただいていた関係をあらため、これからは別の形で会社を回していく方法をはやく軌道に乗せなくてはいけないと思うと不安はあるのだが、その一方で新たなつながりも生まれ、その機運も高まりつつあることを実感する。

 昨日も書いたが、今週の土曜日に勉強会で話をするにあたり、昔のことを思い出しながら整理していたら、今の自分や自分のやろうとしていることに至る原点のような出来事がたくさんあったことをずいぶん気づかされた。
 不思議なことに、そういうことは記憶の奥深くに眠っているけれど、実は自分の現在の行動にも少なからず影響しているのだと感じざるを得ないのだ。
 
 年とともに思い通りにならない時代を生きている感覚が大きくなっていたのだが、そんなことを発見して、かえって不安どころか、自分が意外にも頼りになっていることを知る。
 わたしたちの未来は、今日という日にこそ実はあるのかもしれないと思うと、すべての人や出来事に感謝し、向き合わずにはいられない気持ちになる。

 

 


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