万歩計を持って歩いているわけではありませんが、きょろきょろ例によって探し物をしながら散歩をするわけです。電車で東京に行って、仕事の打ち合わせ前に時間があったりすると、その周辺をかなりの時間歩き回ります。足が痛くなり、カバンを持った左手まで痛くなってきます。でも、歩くのがやはり探し物には一番いいスピードです。
自転車もバイクもいいのですが、乗ったり降りたりが面倒くさい。確かに行動範囲は広くなっていいのですが、目的の町まで持っていくのはほぼ不可能。
遠くに行くときはやはり車。危険ではありますが、きょろきょろはいつものこと、もちろん安全確認も怠りません。ドライブ中に看板や塔、バス停なども探しますが、路面も見ます。
なぜならそこには「マンホール」があるからです。
平成の大合併で市町村の数はだいぶ減りましたが、旧市町村のマンホールはまだまだいっぱい残っています。もちろんお金がかかるだろうから、新しい自治体名になったとはいえ、新しいものにわざわざ交換することはしないのでしょう。地方に行けばいくほど、小さくなればなるほど、一生懸命デザインしたであろうマンホールが作られています。マニアな方が結構いますので、私のような「ゼネラルナンデモコレクター」はその分野では足元にも及びませんが、足元を見たついでに集まったマンホールには愛着がわくものです。
今日はそのコレクションの一部をご紹介します。
岩手の実家に帰るついでに秋田方面に行き、男鹿半島をぐるっと一周した時に見つけたものです。入道崎という男鹿半島の先にある入道崎灯台がデザインされています。
実際の灯台はボーダーの縞模様。なかなか素敵な灯台で人気があるそうです。日本の灯台50選に選ばれています。高さは27.92メートル。改築されているんでしょうけれど、初点灯は明治31年11月8日。
男鹿半島は「なまはげ」などでも有名で、大きなオブジェもあったり、八郎潟の干拓地など見どころいっぱいです。
山形県の日本海側の港町、酒田市の彩色されているマンホールです。こういったタイプは、その町の中心部や役所の辺りに行くと見つかることがあります。たぶん記念に作るのかもしれません。
こういう美しいのもいいのですが、長年、人や車に踏みつけられて模様の角が取れ、つるつるになった蓋にも美しさと愛おしさを感じるのであります。
マンホールには日和山と六角形の木製灯台がデザインされています。この灯台は現存する木製灯台の中では一番古いもので、高さは9メートル。最上川河口の日和山公園で現物を見ることができます。最初の明かりがついた明治28年当時は石油ランプだったそうです。
千葉県は銚子の先、犬吠埼灯台がデザインされた銚子市のマンホールです。日本の灯台50選にも選ばれた、有名な参観灯台(公開されて上ることができる灯台)です。市の魚であるイワシも格好よく配置されています。
犬吠埼灯台ができたのは明治7年。昔から重要な場所だったんですね。今の灯台の高さは31メートル。ぐるぐると上っていく螺旋階段、その段数なんと99段……。九十九里海岸にちなんでいるんです。
これも千葉県銚子市の少し下にある、飯岡町のマンホールです。ここに描かれている飯岡灯台は、日本のドーバー海岸とも呼ばれる形部岬屏風ヶ浦の上に立っています。高さは9.8メートルで、横の梯子もマンホールにちゃんと描かれています。
初点灯は昭和31年で、59年に改築されました。灯台には登れませんがここも公園になっており、ゆっくり景色を眺めることができます。
まぁ、いつものことながら上を見たり下を見たりと忙しい散歩ばかりしていますが、違ったアイテムのもので共通点を見つけたりすると楽しいものです。
写真はどんどんたまる一方、整理分類を怠ると、手に負えなくなってしまうし、その頃のことも忘れてしまうので、なるべく早くするように努力しています。そうして何種類かに分類していると、<アーこのくくりが楽しそうだな>と、妙な共通点が出てくるのです。するとそれに向かってまた集めだすようになり、ますます深みにはまってしまうのです。
旧市町村名のマンホールの蓋は、丈夫ですからなかなか消えないと思いますが、これ以上増えることはないはずです。見つけたら一応撮っておきましょう。