今日は生まれて初めてホップにお目にかかれる。
ビールならいくらでも飲んできたが、ホップ自体は見たことがない。だってホップは八百屋にもスーパーにもそうそう売ってないのだから。しかも今日はそれを食べさせてもらえるというのだ。東京のど真ん中で収穫されるホップの天ぷらを!
今日はご縁あって「スカイファームクラブ」の皆さんが運営する屋上菜園の収穫&飲食会に参加することができるのだ。
本日のソトノミストは大手町を降りた。
丸ノ内線、東西線、千代田線、半蔵門線、都営三田線の5路線の地下鉄が通る広い広い駅構内を歩いてC3b出口から地上に出る。
集合時間には少し時間があるので「将門の首塚」に手を合わせてから行こう。この一帯は大規模な再開発の計画が進行中なのだが、この一角だけは手をつけないらしい……。オフィスビル群に囲まれたこのミステリアスなパワースポットには不思議な空気が漂っている。
およそ350社(者)が入居しているこの建物の屋上へ向かうソトノミスト。エレベーターを5階で降りて屋上へと続く階段を上る。上りきった扉を開けると屋上菜園が現れた。 土を盛り上げたところにさまざまな野菜が育っていて、つる科の植物は緑のカーテンを作っている。そして芝生の上にはテーブルとイスが配置されている。都心の屋上らしくビルに囲まれた眺めの中には首都高が走っており、その向こうに皇居の緑が広がっている。
今日はこんないいところで採れたての野菜をアテに外飲みできるんだ! 期待に胸がふくらむ。 さっそく収穫は始まっていた。みんな一か所に集まって土を掘り起こしてコロコロしたサトイモを集めている。ソトノミストもご挨拶して、まずはサトイモ掘りから参加させていただく。
30名ほどの参加者の中にはプロのガーデナーの方もいて、収穫の方法や野菜のいろいろなことを教えてくださって、初めてでも収穫を楽しむことができる。家族連れの参加者もいて、子どもたちは嬉しそうに土を掘ったり野菜を運んだりしている。もちろん楽しんでいるのは子どもばかりではない。大人だって無心に草をむしったり、おー! とか、わー! とか歓声を上げながら採れたて野菜の写真を撮ったりして大喜びしている。
ネギ、ニンジン、パプリカ、ミズナ。それからコールラビという野菜。カブに似ているけれどキャベツの仲間なのだそうだ。
これは知ってます。ビールに最高のおつまみ、落花生に枝豆。つぎつぎ収穫された野菜たちが並べられていく。
そして楽しみにしていた「ホップ」の収穫。ほー、これがホップですか! 思っていたより小さくて軽いものなんですねぇ。ホップの毬花(きゅうか)はビールの苦味、香り、泡に大事なもので、雑菌の繁殖を抑えてビールの保存性を高めてくれる優れモノなのだそうだ。
土のにおいを嗅ぎ、指先を働かせて土をいじる。そして野菜が採れた瞬間の喜びを味わう。収穫をとおして自分の気持ちが満たされていくのがわかる。
ガーデナーの西城さんの話によると、「園芸療法」なるものもあるらしく、園芸活動をすることでストレス緩和や免疫力向上効果があって、医療現場でも注目を浴びているのだそうだ。
ふと西城さんが何やら小さな実を渡してくれた。嗅いでみて、というので鼻を近づけるとヒドイ悪臭で鼻が曲がりそうになった! それは「ヘクソカズラ」の実だよ、と笑いながら教えてくれた西城さん……。先に言って下さいよ! 思いっきり嗅いでしまったじゃないですか! 収穫を終えて空いたスペースをきれいにして、次の苗木を植えてゆく。今植えているのはルッコラの苗。
そしていよいよ更なるお楽しみの始まり。野菜たちがさまざまな料理に姿を変えている。ありがたいことに、女性陣の手によって収穫された野菜たちの調理が着々と進められていた。そしてドリンクの用意も……!
今日は皆さんお疲れさまでした! それではみんなで乾杯ー!!
みんなでおいしい料理に舌鼓を打つ。今日はみんなでソトノミストなのだ。そうそう、楽しみにしていたホップの天ぷら。そのお味は……サクッとほろ苦!